こちらは、日々、受験英語に携わる管理人が、精魂込めて受験生にお届けする、
共通テスト関連記事です。
今回は、共通テスト英語リスニング試験の第4問の傾向・対策・解放のコツなどをお届けします!
過去問を解きながらプラスアルファの解説としてもご活用いただけたら嬉しく思います!
第1問~3問までの記事は、下記をご参照くださいね。
Link 「共通テスト「英語リスニング」分析04~[第1問-第3問]の傾向・対策・コツ
★「共通テスト」の英語リスニング試験関連の全記事一覧はこちらに!
(使用単語分析や、過去問の傾向・対策・解法のコツなど、続々とアップ中です)
※この記事の分析の対象は、令和3年度実施の2回分の共通テスト・リスニング試験となります。
「第4問A」の傾向、対策、コツ
第4問Aは、2つの大問で構成されています。
どちらも対話ではなく、説明文を聞いて、図表の空欄を埋める問題ですね。
それぞれ4つの空欄に入る選択肢を選ぶことに。
(問18-21はグラフ、問22-25は表の問題)
序数、割合、年代、時刻など数値にまつわる表現や、図表の各項目を比較する表現が満載。
(数については、文法書の「数詞」や「数量形容詞」などの項目をしっかり勉強しておいた方が良いですね)
<問18-21>の傾向、対策、解法のコツについて
円グラフや棒グラフなどのグラフ問題。答える空欄は4つ。
放送英文が流れる前に10秒ほど事前に内容を読む時間があり、
放送英文後には15秒ほどの解答時間が設けられています。
まず、放送英文の1文目は今回のグラフについての説明ですね。
これは問題用紙にあるグラフのタイトルについて、より詳しく説明するような内容。
その後、グラフの空欄に入ることになる各項目(選択肢の語句)が1つずつ読み上げられる流れ。
(選択肢1~4の順に読み上げられています)
ここで、この選択肢1~4の語句の発音をしっかり押さえておくこと。
続いて、この項目ごとに内容の説明が続きます。(合計4文ほどが続きます)
この説明文は、空欄順や選択肢の順には進まないので、
しっかり放送文の内容を聞いて付いていき、空欄と一致させていく必要があります。
(一応、円グラフなら一番割合の大きい項目から、棒グラフでも一番目立つ項目から説明が始まりますが、
その一番最初の項目つながりの内容で、あとの順番が前後していく流れのようです)
この説明文は、グラフの各項目について、それぞれ〇%や、〇度など、
ストレートに数値をあげて説明されることはほとんどありませんので、
どの項目がどれになるか、1文ずつ即座に決定できるものではありません。
(前後であれやこれや比較したり、密接に関連し合う形なので、1つの文単独では決められないのです)
「一番〇〇なのは・・・」「3番目に〇〇なのは・・・」
「~の半分なのは・・・」「~より〇〇なのは・・・」などなど、
序数表現や比較表現などが満載で、その説明文を聞いて自分の中で「つまり?」と思考転換し、
選択肢を当てはめていく必要がありますね。
ただ、傾向として、1つ目の項目についての説明文は大変分かりやすく、
どの選択肢がこの項目に入るかは一発で決まると思います。
「一番〇〇なもの」という分かりやすい最上級表現や、〇%とストレートに表現されていますので。
2つ目以降は、この1つ目を基準に、あらゆる数値表現や比較表現での説明が続く流れです。
ただ、途中、どれがどれだか見失ってしまった場合でも、決して最後まであきらめないように。
前から順に決められない場合でも、聞いているうちにまた挽回できるチャンスが盛り込まれている場合も!
以下で、1月16日、30日の両日程の試験内容を詳しく見ていきますね!
第1日程(1月16日分)より
円グラフの項目を1つずつ「〇%」とストレートに説明する代わりに、
最上級や序数表現を使ったり、half や quarter といった数値とは別の数量表現を用いて説明されるので、
どの項目についての説明か、「つまり?」の思考転換で、選択肢を選んでいく必要があります。
(最上級、比較、数量表現を押さえておく必要ありです!)
1つ目の項目は、The most popular selection was ~といった分かりやすい最上級表現。
しかも「30%」というストレートな数値表現も添えられているため、即座に確定できますね。
続く、half や quarter という表現で一瞬とまどう場合もあるかと思いますが、
最後の The third most selected category was ~で復活できるはずです!
しかも、この3番目の項目は「playing online games に続く(came after)」とあるので、
2番目の項目を決めるヒントにもなるかと。
基本的な数詞、序数詞をはじめ、half、quarter などの数量表現や、
「~倍」や「~分の1」などの倍数、分数表現なども押さえておけるといいですね。
とにかくあらゆる数量表現を、音と共にきちんと確認しておけますように。
( quarter の「t」の音は、フラッピングといって「ラ音」のように聞こえる場合も)
ちなみに、30 percent の 30 や、the third の third の数字の音なども拾えましたか?
出だしの「th」の音は、軽く舌の先をかむような音ですね。
ひょっとすると数字の中で意外と聞き取りにくい音かもしれません。
ぜひ過去問音声で確認してみてくださいね!(–> 教学社の音声サイトへ)
第2日程(1月30日分)より
こちらも棒グラフの項目一つ一つを、温度が「〇度」という形で説明する代わりに、
「一番〇〇なのは~」や「〇〇よりも~」といった最上級、比較表現を用いて、
他の項目と比較しつつ、相対的に決定していく必要のある問題。
ストレートに「〇度」と決まらないので、「つまり?」で思考転換が必要ですね。
ただ、この問題では「〇度」と直接数値で温度を示す表現が出てきませんでしたが、
グラフを見て数値が目に入ったら、その数字が英文のどこかで読み上げられる可能性も意識して、
念のため頭にとどめておけると安心ですね。
ちなみに、比較表現でよく用いられる語、much、a bit~、than I expected、the least などなど、
押さえておきたい表現が満載ですね。
than は弱形で音自体は単独では聞き取りにくいところもあると思いますが、
文脈などからも判断してしっかりと拾えるように気を付けてみてくださいね。
(–> 教学社の音声サイトへ)
<問22-25>の傾向、対策、解法のコツについて
何らかの説明を聞いて、指示に沿うよう表の空欄4つを埋める問題。
放送英文が流れる前に18秒ほど事前に内容を読む時間があり、
放送英文後には40秒ほどの解答時間が設けられています。
この事前の準備時間で、表の各項目に目を通しておきましょう!
ここでも、数字にまつわる表現が満載です。年代、割引率、時刻などなど。
放送の冒頭では、日本語の説明にあるとおり、何についての説明かが分かるような英文が来ていますね。
続く英文で、より詳細な説明が続くという流れです。
説明は、最初、表の上の行から順序立てて綺麗に進むように思われますが、
途中どこかで、もしくは終わりの方で、何らかの例外事項が生じ、見直しが必要になることが。
令和3年度の2回分の試験を見る限り、以下のような特徴が。
つまり、もし上から順番に説明が続いた場合は、最後の方で例外事項が発生する可能性が。
もし途中で例外事項が入った場合は、一見流れが前後するように思われますが、
またその後に元の順番に戻ってきますので、惑わされずに上から下へと説明を追っていけますように。
以下で詳しく内容を見ていきますね!
第1日程(1月16日分)より
一つ一つDVDタイトルが読み上げられ、各DVDごとの割引率が読み上げられるわけではありません。
release dateに基づき、年代別に〇%引きという説明を聞いて、「つまり?」で当てはめていく必要が。
割引率の数字ももちろんですが、年代などの時を表す数値表現の聞き取りが必須ですね!
ここでは、~ and before、more recently than~ など、
直接、「〇年~〇年」という between A and B といった表現以外のものもあり、
それを「〇年~〇年のこと」と、自分の中で整理していく必要があります。
説明は、一見、表の上の行から進むように思われますが、最後へ来て、例外事項が生じます。
ストレートには終わらないものと、あらかじめ心の準備をしておいた方が良さそうですね。
(表に星マークがあることで、何かあると予測を付けておけますように)
第2日程(1月30日分)より
時刻にまつわる数値表現が満載ですね。
ただ、一つ一つのバスについて、「〇時〇分に出発して、〇時〇分に到着」という
ストレートな時刻の説明ではなく、「追加で〇分かかる」「〇分遅れで出発する」など、
「つまり、〇時〇分になる?」と、自分の中で計算をするなどの思考転換が必要です。
take を使った所要時間の表現や、half an hour late などの時刻表現も押さえておけますように。
また、表の項目にある destination、departure などの語が、
放送英文では、下記のような表現に入れ替わっていますので、ここも「つまり?」の思考転換が必要。
destination(目的地/~行き)・・・leave for~、going to~
departure(出発時刻)・・・leave~
選択肢にある「on time」も、英文では run normally になっていたり、
あちこちで「つまり?」の思考転換が必要な問題ですね。
しかも、この第2日程の英文は、表の一番上のバスの説明から始まり、
すぐにそれに関連する例外事項が入るため、いきなり一番下のバスの説明へと飛びます。
これで惑わされそうになりますが、続く説明からまた元どおり上からの順番に戻る流れですので、
落ち着いて追いかけていけますように。
ちなみに、一つ一つのバスにもすべて数字が入っていますね。
念のため、これらの数値もすべて過去問で音の確認をしておけますように。
(–> 教学社の音声サイトへ)
「第4問B(問26)」の傾向、対策、コツ
何かを選ぶ状況で、4人(4つの)説明を聞きます。
その中から、3つの条件に合う最適なものを選ぶ問題。
放送英文が流れる前に15秒ほど事前に内容を読む時間があり、
放送英文後には10秒ほどの解答時間が設けられています。
4人の説明の間にポーズはほとんどなく(1秒ほど)、連続で説明が流れます。
あとから考えるような時間はほとんど無いようなものなので、英文を聞きながら条件に合うか合わないか、
〇×△などを即座に付けていき、最後、〇が3つ並ぶものを解答用紙にマークすることになるでしょうか。
3つの条件を念頭に置いてそれぞれの説明を聞くことになるのですが、
「平日の公演」や「2週間程度で終わる」といった、日時や期間などの客観的に判断できる条件の他、
「楽しく笑えるコメディー」「人気がある」など、主観的な判断を求められる条件も含まれていますね。
果たしてこれが「笑えるコメディーと言えるのか?」「人気があると言えるのか?」など、
発話者の説明を聞いて、随所に微妙な主観的判断をせまられます。
(ただ、どうも正解の説明文は、これらの主観的判断がしやすいものという印象も)
また、客観的に判断できそうな条件も、ストレートに表現されるものばかりではないので、
自分の中で日数を計算したり、「つまり?」で思考転換したりが必要です。
以下で詳しく内容を見ていきますね!
第1日程(1月16日分)より
選択肢1:「笑えるコメディーと言えるのか?」を、「かなり serious だけれども
one really funny part がある」から「つまり?」の思考転換による判断が必要。
「人気があると言えるのか?」を「ランキングが高くない」から判断する必要が。
「平日の公演」については、only on weekdays とストレートな表現なので分かりやすいですね。
選択肢2:laughed the whole time から、かなり笑えるミュージカルであると判断しやすいですね。
has very high ticket sales からも人気の高さがうかがえます。
「週末も公演が始まった」が少し思考転換が必要ですが、「つまり、平日も公演がある」
と論理的に判断できますように。(この選択肢2が正解)
選択肢3:「コメディーが好きならおすすめ」から、笑えるコメディーであると判断できますね。
友達の意見や良いレビューを見たという説明から、これを「人気がある」と言えるのか、
少々主観的判断に迷うところですね。
ただ、その後で、「公演は週末のみ」と明確に除外できる説明が続くので分かりやすいですね。
選択肢4:コメディーかどうかは、「with a few comedy scenes」で一瞬迷いそうですが、
「チケットの売り上げがそれほどよくない」から、「つまり、人気がそれほど無い」と
判断できるかと思います。
every day of the week という表現から、平日も週末も含めて「毎日」であると
思考転換できるかもカギ。
第2日程(1月30日分)より
選択肢1:これが正解の選択肢なのですが、正解の英文は、分かりやすい表現が多いようですね。
ただ、期間に関する条件については、少々思考の転換が必要ですね。
ここでも、half a month を「つまり、何週間?」と即座に思考転換する必要が。
ちなみに、この第4問だけで、half が3回も登場しています。
(half that percentage of students~、half an hour late、half a month)
直接、数値を出して言うのではなく、この「〇〇の半分」という説明から、
すぐに数値に変換する必要がある点で、「つまり?」の思考転換が必要な数量表現ですね。
選択肢2:宿泊先と期間については、ストレートに述べられていて、分かりやすいですね。
ただ、これがコンピューターを使う仕事かどうか判断がつかず迷いますよね。
(こうした判断のつかない選択肢は正解から外せる印象です)
選択肢3:はっきり判断できるのは宿泊先のみで、あとは判断に迷う選択肢ですね。
コンピューターの知識が必要とされるものか、これだけでは分かりませんし、
2週間超の仕事を2週間程度と判断してよいかどうかも迷います。
(これも明確に正解と判断しにくい分、正解から外せる印象)
選択肢4:コンピューター関連の知識を生かせそうな点は判断しやすいですが、
期間については、何月何日~いつごろまでという期間を聞き取って、
これを〇週間程とまとめる思考転換が必要です。
ただ、宿泊先については、自身で用意する必要があると言っているので、条件に外れますね。
ここを聞き取れれば、期間が分からなくとも判断がつくという救いが用意されている英文です。
their own の聞き取りがポイントですよ。(their は聞き取りにくいかと)
(–> 教学社の音声サイトへ)
期間を表す数値表現を押さえておけますように。
この第2日程の第4問Bでは、「take about half a month」「for about 〇 days」
「for more than 〇 weeks」「start on 〇, and ~ until 〇」などが出てきましたよ。
第4問については以上です!
全体的に、数値と比較表現を中心に、あれやこれやと表現を変えて伝えてくる英文たちですね。
「つまり?つまり?」とくるくる思考転換をして、発話者の説明を正しく把握していけますように。
数値の聞き取りは、過去問を解く際にも意識して取り組んでいけますように!
続く第5問、第6問も用意でき次第、アップさせていただく予定です。
11月も半ばを回り焦ることもあると思いますが、
日々こつこつと、自分のペースを維持して、やれることを一つでも多く積み上げていけますように。
がんばれ、受験生!